SXSW 2019 体験記 Part 3(Day 1)
2019年 3月10日(日)
(この記事は、短期連載記事の一部です。最初から読みたい方はこちらからどうぞ)
いよいよサウスバイ1日目。まずは朝食です。宿泊したホテルは嬉しい朝食付きで、朝食コーナーで自分で好きなものを勝手に取って食べました。(コーヒーは24時間いつでも飲み放題)
まず最初に目に飛び込んできたのは・・・
以前、シナボンが日本から一時撤退してしまった際には、最後の店舗アクアシティお台場店の閉店最終日に何個も買い込んだほどのシナボン好きにはたまらんですよ。(現在は復活上陸して数店舗あります)
お味はというと、サイズ的にはミニボンのさらにひと回り小さいくらいで、ほんの少しだけあっさり目(脳天突くほどの甘さは無いけど充分甘い)という感じでした。
そして次に目に入ったのは・・・
すごいよU.S.A.。
カルチャーショックですよ。
パンケーキ食べたい芸人:夢屋まさるもビックリだよ。
ボタンひとつでパンケーキを自動で作ってくれる機械なんて・・・(涙
ちなみにこんな感じです。
↓
で、開始ボタンを押すと動いて、パンケーキが約1分で出てきます。
シナボン食べたし、パンケーキ食べたし、いざ出陣!
ホテルから会場付近までは、またUberで移動します。登録者バッジ引き換え場所となっている「オースティン・コンベンションセンター」までは、15分程度でした。
というわけで、もらったのがコチラ ↓
コンベンションセンターはSXSWの中心なので、あちこち装飾されています。
コンベンションセンターに着いた時から気になっていたのですが、あちこちにこんなものが乗り捨ててある・・・
↓↓↓
日本でも広まって来てるシェアバイクの「電動キックボード版」です。何種類か存在していて、JUMP、SPIN、BIRD、Limeの4種類を確認できました。
アプリを起動してQRコードを読み取ってレンタル、乗り終わったらそこらへんに乗り捨ててアプリでレンタル終了するだけ。
料金はたしか1分15セントだったと思います。でも、あんまり遠くまで行くと(街のある範囲を出ると)500ドルの罰金とか・・・。
アプリで「どのあたりに空きスクーターが転がってるか」も確認できるので、今すぐ乗りたいけど見える範囲にスクーターが転がっていない時はアプリで探せます。
このサービス、すごく便利なんだけど、賛否両論のようで。けっこうスピードが出るので危険というのもあるし、乗り捨ての際にホントに捨てる輩もいたりして。
ちなみに、最近は日本でも実証実験が始まった模様。
さて、そんな電動スクーターの大群に軽いカルチャーショックを受けながら、さっそくセッション聴講のため先輩氏とは別行動。カンファレンス/セッションは何百種類もあり、聴きたいセッションがけっこうバラバラなのです。歩いてヒルトンホテルに移動。
「SXSW Pitch Artificial Intelligence Technology」を聞きに来ました。SXSW Pitchとは、全世界から800以上のスタートアップ企業がエントリし、10のカテゴリで競い合うコンテストみたいなもので、カテゴリごとに上位5組がプレゼンを行います。今回聞いたのは、AIのカテゴリです。
- 自動車事故を予測して未然に防ぐためのAIアルゴリズムの開発
- 会議やミーティングの内容を自動でまとめてくれて、ダッシュボードを作ってくれるサービス
- 政府や企業に向けた道路の管理活用支援(どこどこの道路が陥没してますよ、とか情報を管理できる仕組み)
- 個人の状況に合わせて最適な保険を選ぶ仕組み
- 酪農家がカウチに寝っ転がって家畜の管理ができるサービス(同じところの牧草ばっか食べないようにさせる、など)
私の英語力では、このくらいの解釈が限界でした・・・。(同時通訳など無しで、ぜーんぶ英語でしたので)
1個目のセッションでいきなり疲れたので、ちょっと休憩・・・と、テラスっぽいところに出てみると、目の前にNHKの「8Kシアター」が。
同じくセッション聴講を終えた先輩と合流して、次はソニーの「Sony WOW STUDIO」へ。
写真では1体しか写っていないですが、このロボットは何台か置いてあって、ロボット同士で意思疎通して言語を創り出していくそうです。ソニーのサイトの説明によると・・・
異なる個性や知識を持つ複数のロボットが、互いに語り合うことや、鑑賞者・周囲の環境から影響を受けることによって、新しい言葉を創り出し、新しいコミュ二ケーションを始めます。
だそうです。
プロジェクションマッピングを活用したダーツです。
プロジェクションマッピングと最新式の赤外線センサーデバイスを組み合わせることで、マトに可変性や可動性を持たせ、従来のダーツソフトとは異なる新しい遊び方を提案。プレイヤーの足元には、ソニーのハプティクス技術(触覚提示技術)を搭載した「Haptic Floor」(ハプティックフロア)が設置され、全身で楽しめる臨場感と没入感のあるダーツをお楽しみいただけます。
だそうです。こちら、横浜(複合型エンターテインメントビル「アソビル」地下1階「PITCH CLUB(ピッチクラブ)」)に実物があるそうですよ!
さて、お次のアトラクション、「CAVE without a LIGHT」は、その名の通り暗闇の洞窟を再現していて、その中で音楽を協奏する体験ができるアトラクションです。
真っ暗な部屋で、ヘッドホンをつけて、音楽にあわせて目の前の太鼓を叩くというものなんですが、部屋はホントに真っ暗で何も見えず、ソニーの音響技術により洞窟の中にいるような感覚に陥ります。で、これは何なのかというと、視覚に頼らず楽しめるインクルーシブデザインの体験型展示、ということだそうです。
出ました、インクルーシブデザイン。(ここ数年、注目されてますね)
これは、日本語だと「包括的デザイン」などと言われていて、「多様なユーザーを包含・理解することで新たな気づきを得て、一緒にデザインする手法」とされています。
ソニーの品質・環境部、クリエイティブセンター、R&Dセンターによる作品なのですが、制作過程で全盲の方を交えて「聴こえ方」や「触った感じ」などを観察、調査、ヒアリングして作り上げたそうです。
アトラクションの最後に制作過程のビデオが少しだけ流れるのですが、UXデザイナーとしてはアトラクションよりそのビデオの方が興味深かったです。
ソニーさんのブースでは、奥の方にドリンクカウンターがあり、入口でもらったコインと引き換えにドリンクがもらえました。(2個もらったので、2本まで)
水分補給のため水をもらったのですが、その横で「SNSでハッシュタグ #SonyatSXSW を付けて写真をシェアしたらTシャツかキャッププレゼント」ってのをやってたので、さっそく先ほどのaiboの写真をTwitterにUPしてTシャツをゲット。
でも、サイズが L しか無いんだって・・・(この国には巨大児しかいないのか)
ソニーブースをあとにし、次は「日本館」へ。
少し距離があるので、Uberで行くか・・・なんて思いながらアプリ起動してみると、近隣にわらわらと車が巡回してました。
まぁ、それなりに近いので歩いていくことに。
しばらく歩いて、6番街にやってきました。
最初のページで「音楽やってるやかましいエリア」と書いたあたりです。
バーや飲み屋ばかりが立ち並んでいて、あちこちで演奏していました。
バーの入口には屈強なマッチョさんがたくさん立ってたり、明らかに「色々ヤッてそうな」ニヘラニヘラした兄ちゃんがたばこ吸ってたり、飲み屋に挟まれてブードゥー的な店があったりと、ちょっとアレな雰囲気ですが、フェスティバル中だからか、ややマイルドな感じで怖くはなかったです。(夜はヤバそうだけど)
10分ほど歩いて、到着。
落合陽一氏プロデュースの、日本館こと「THE NEW JAPAN ISLANDS」。
日本らしいのが、中に入るのにまず靴を脱いで入るところ。
この赤富士の写真の右下あたりで靴を脱いで、下駄箱に入れて中に入ります。(絶対、取り違えとか起こってそう)
入るといきなり意味不明です。
「注意」「キケン」って・・・
あと、雲。
なんやねん、これは・・・(スーパーマリオの雲かな?)
左を見ると・・・
あ、何となく見えると思いますが、室内は畳敷きになってます。
この黄色く囲われたところは、ドッグラン(謎)
少し奥に進むと・・・
カオスすぎる・・・
確かに日本らしいけど、これは誤解を招くぞ(笑)
ちなみに、全体のプログラムはコチラ。(←このサイト、ひどい(笑)HTML 4.01 的な懐かしさ)
さて、その真ん中のこたつ周辺では、いろいろな催しものをやっていました。
私たちが行ったときは「Undiscovered Gems of Japan Innovative Food Show」ってのをやってまして、ニッポンの宝物として宮崎和牛の紹介をしていました。
Ozaki Beaf(宮崎尾崎牛)の「特徴」や「こだわり」をオーナー(尾崎さん)自ら語られ、最後は試食までありました。試食した女性が「まるでバターみたい(英語)」とコメントしてましたが、確かに和牛ってそうかも。(私たちも後でちょっとだけ頂きましたが、めちゃくちゃ旨かったです)
司会をやっていた女性、聞き覚えのある声だな・・・と思ったら、クボジュン(久保純子)じゃないですか。はるばるテキサスまで来られたんですね・・・
あと、余談ですが、帰国して部署内で「こんなもの見てきたよ」と報告してたら、部の同僚が前職で尾崎さんとお仕事されていたとのこと。いやー、世間は狭いですね・・・
会場をあとにし、歯に挟まった和牛を少しずつ味わいながら次のセッションへ。。。。
「SXSW Pitch Entertainment and Content Technology」を聞きに来ました。
今度はエンタメカテゴリです。
- 機械学習と言語処理によって、いま読んでいる記事のコンテキストを解析して、それと関連すると思われるWeb記事をタイムライン風に表示してくれるサービス。
- スポーツの試合(プロアマ関係なくスポーツの試合なら何でもいいみたい)を取り込んで、自動でハイライトだけを編集してくれる技術
SKYEWAVER
- 子どもにとって有害な描写や表現があるゲーム動画などを人力でブロックしてくれるサービス。
このうち、STROLYは日本からの唯一のファイナリストです!
しかも、STROLYがSXSWの公式マップアプリとして採用されたそうです。
残念ながら優秀賞には選ばれませんでしたが、堂々としたプレゼンで立派でした。
と、ここで、会場で知り合った日本人の方から聞いた話で、面白いものがあったので紹介しておきます。
その方は1年半くらいアメリカに来てて、今回はじめてSXSWに参加したそうなんですが、なんでもSXSW Pitchをメインに聞きに来たとか。で、私の聞けなかった「Transportation & Delivery」部門で、気になったものとして「migo」ってのを教えてくれました。
migoは、目的地を選ぶと、様々なライドシェアアプリ(UberやLyft)に加えて、タクシーや電車といった公共交通を含め、一度に様々な方法の価格を表示してくれて、最短最安値が一撃で分かる、というアプリです。さらに、他の本家アプリを立ち上げずとも、そのまま配車ができてしまうという優れもの。
UberやLyftが無い日本では全く価値が見いだせないものですが、これはアメリカだと重宝するだろうなぁ・・・と思いました。
今回、SXSWとは何なのかみたいなのもぼんやりした状態で行ってしまったため、ピッチはこの2カテゴリしか見れませんでしたが、この方の話を後から思い出して、あー10カテゴリ全部見ておけばよかった・・・と、ちょっと後悔。Tシャツもらったり和牛食ってる場合じゃなかった。来年以降行かれる方で新しいもの好きな方は、ぜひ SXSW Pitch は見てください!
そしてお次の会場へ。
マリオットの名前を見て、10年前の社員旅行(ハワイ)で泊ったのを思い出しました。懐かしいなぁ。
「Advancement in Public Safety UX」というのを聞いてきました。
救急/消防士のための救援対象者捜索ツールができるまで、みたいな話でした。(たぶん)
災害現場(特に火災)に駆け付けた一次対応者がすぐに逃げ遅れた人を見つけられるようにするために、事故指揮官がARゴーグルみたいなのを付けて建物の3Dモデルの中から人を発見して指示を出す、みたいな仕組みを、ユーザー中心設計と最新のテクノロジを駆使して考えましたー。という話だったように思う・・・。
利用状況があまりにニッチすぎて、そんなに参考にはならなかった感じが・・・。
若干の残尿感を残しつつ、本日のセッションはおしまい。
SXSW参加者は、コンベンションセンター裏手の登録者ラウンジというところに行くと、1日1本、ドリンクがもらえるのです。
ラウンジと言っても、ただの広場ですけど。
先輩氏と待ち合わせして(待ち合わせにはLINEとかじゃなくハングアウトを使用するというIT屋根性が炸裂)、入口付近で待機。
・・・していると、パイセンが颯爽と登場。
電動キックボードに乗ってww
乗ってきた Uber JUMP をそこらへんに放置して、ラウンジで今日の1本をもらいました。
いやー、飲む前にキックボード乗って良かったですよ。飲んでから乗ってたらヤバかった(はず)。
ちなみに、このラウンジですが、我々の中では通称「配給所」と呼んでました。
グイッと頂いたあと、ラウンジのすぐ前で、こんなものを発見。
これ、いいですね。
日本人はけっこうちゃんと犬フン処理する飼い主さんが多いですが、たまに歩道にコロリンコしてるのを見かけます。こういうのが公園のそばとかにあると、ちゃんと捨てる方がもっと増えるかも。(メンテとか補充とか問題はありそうですけど)
コンベンションセンターに戻ってSXSWのロゴ入り立て看板などで記念撮影を終え、いい時間になってきたので晩ごはんを考える。
ホテルに戻ると店が無いので、ダウンタウンで食べて帰ることに。
どこも人がいっぱい or やたらお高い などでなかなか入れず、あちこちウロウロした結果、「P.F.Changs」という中華の店に入りました。(ブラジリアンバーベキューとかメキシカンとか、ちょっと気になったけど)
あとから知ったけど、チェーン店なんですね。
わりといい場所にありました。
左下のごはんが玄米なんですが、二人とも「ブラウンライス」がどうしても聞き取れず、何度も何度も店員さんに「White rice or Brown rice?」って言わせてしまいました。白米が聞き取れてるんだから、何となく想像できるだろって話ですね。。。
ごめんよ、ミスターブラウンライス。
Day 2 に続く