Finding Ahodance

SI会社に勤めるUXデザイナーのブログ。

JR東日本 特急指定席ランプ

 こんにちは。Brysonです。暑いですね。。。

 JR東日本といえば日本で最も大きい鉄道会社のひとつですが、UX・UI・情報デザイン、ユーザビリティの観点で見ていくと、いつも何かと楽しませてくれます。(例:えきねっと

 ふだんめったに指定席は乗らないのですが、先日ちょっと頻繁に特急指定席に乗る機会がありました。(全車指定席だから指定しか無かったんだけど)

 その際、「おやっ?」と思ったことがいくつかありました。

空席を示すランプの色

 全席指定席なので、乗車前にあらかじめ駅の指定席券売機や「えきねっと」で指定席券を買っておくのが普通なのですが、とはいえ飛び乗った人や自由席があると思って乗った人のために、「席が空いてたら指定席料金払って座っても良い」というルールになっています。

 この、「空いてる席」を分かりやすくするために、席の上に赤黄緑の3色ランプがあって、「ここ空いてますよー」が分かるようになっています。

 が、この配色がなんか違和感がすごいのです。

特急ときわの例

「特急ときわ」の例

 赤ランプが「空席」・・・

 日本人の感覚でいくと、赤は「ダメだよ」みたいなニュアンスになると思うのですが、なぜか座って良い=空席が赤でした。逆に、緑は「GO、進め、OK」って感じなので、「座って良い」と知覚すると思うのですが・・・。

 指定席をよく利用する人に聞いたところによると、JR東日本の似たような仕組みを導入している列車はすべて同じルールらしいので、慣れたら気にならないのかもしれませんが、初見だとものすごい違和感を感じてしまいました。

 自分が空席を探すときは、たぶん緑色を探してしまいそう。。。

 そういえば、職場の照明のランプも緑がOFF状態、赤がON状態で、みんな押し間違えてる気がする・・・。(作り手から見ると、ONにできる状態=緑、OFFにできる状態=赤、という解釈なのかも?)

 ちなみに、このランプの色の案内は、デッキにも一応掲示してあるのですが、基本的には座席に座って目の前にあるテーブル(の裏=畳んでいる時のこちら側)に貼ってあります。

 立ったまま席を探している状態じゃ、ほとんど気づけないじゃん。。。

 ユーザーテストしてみたのかな、と気になってしまいました。

実際のランプの配置

 さて、座席の前に貼ってあるご案内は、左から「赤・黄・緑」でした。

 座席に座って、パッと上を見上げて見える、実際のランプがコチラ。

座席上のランプ

座席上のランプ

 左から・・・「緑・黄・赤」

 ・・・って、オイ!(笑)

 説明と逆やないけ!

 

 と思わず突っ込んだけど、でも、まぁこれは仕方がない。

 進行方向が逆になって、座席の向きが逆になれば正しい向きになるのでしょう。

 

 となると、どうすれば良かったのか?

 

全てをランプの形状に似せた絵にしたのが問題なのでは?

 案内の中には大きく分けてふたつの情報があると思います。

  1. 座席上に空席かどうかを示すランプがあること
  2. 色によって空席かどうかが分かること

 今の案内だと、「形状」と「色」が合わせて「情報」になってしまっています。これを提示されると、ユーザーは無意識のうちに形と色が「同じもの」を探そうとしてしまいます。すると、進行方向によっては、左右が逆になって余計に分かりにくくなってしまいます。

 

  なので、考えてみましたよ。

 こんな感じにしてはどうでしょうか。

 

座席上ランプ説明改善案

 わりと適当に作ったので、文字と文字の間隔とか雑ですが、「ランプがあるよ」と「色の意味はこれだよ」を分けてあげると、分かりやすいかと思いました。 

 

 で、これを作ってて思ったんですが、日本語としても文言が何だか変ですね。「指定席販売済みの区間です」って、席を探している人が中心ではなく、列車中心になってますね・・・。列車中心設計ですよ。

 乗ってる乗客は、「今、座れるかどうか」に関心があり、この先目的地まで座れるかどうかは結局分からないのだから、あまり「区間」っていうものを意識していないと思うのですが・・・

 そういう意味では、「空いてます」「空いてません」「そろそろ乗ってくよ」とだけ書かれた英語の表記がとても正しいような気がします。

 

 で、やっぱり思うわけですよ。

 ユーザーテストしてみたのかな、って。。。